じゃじゃめん八番

のれんをくぐると、力強く歌う女性ボーカル、音楽を楽しみながら料理を味わう観客。その中心に少年のような笑顔でハーモニカを吹く森田さんがいる。

じゃじゃめん八番。ここでは音楽イベント「ＨＯＴ ＰＩＥＣＥ」が月１回行われている。マスターの森田親一さんは、盛岡市の多国籍料理屋「ＢＩＫＥ ＣＡＦＥ」を経て、２０１７年４月、紫波町に「じゃじゃめん八番」を開いた。

森田さんは仙台商業高校出身。高校時代は軟式野球で全国大会に出場するなど、部活動に真剣に打ち込んだ。卒業後、民間企業を経て、親族が経営するラーメン屋で働く。

やると決めたことには本気で取り組む。昼はラーメン屋で働いたが、夜は接客を学ぶためにホテルで、そして料理を学ぶために中華料理屋で働くなど貪欲に取り組んだ。

「昼も夜も働いて、開いた時間には社会人野球もやっていた」と話す。その後も飲食店を企画・運営する会社など、様々な場所で働いた。

ＢＩＫＥ ＣＡＦＥが１９９８年１０月にオープン。さまざまな分野に挑戦してきた森田さんのように多国籍料理の店だった。今も続く音楽イベント、ＨＯＴ ＰＩＥＣＥはこの店で始まった。

ＨＯＴ ＰＩＥＣＥは料理やお酒を楽しんだり、演奏者や観客が交流できたりと自由な場所だ。「何でも、誰でも受け入れる」と語るマスター。ただ、会場準備や演奏など引き締めるべきところは引き締める。イベントの唯一の参加条件は「熱い気持ちをもっていること」。ここぞというときは本気で取り組む森田さんらしい。

イベントにはプロに羽ばたこうとする人達も出演する。誰よりも熱いマスター。その周りには自然と熱い人達が集まってくる。

ＨＯＴ ＰＩＥＣＥ　熱いカケラが集まれば岩手のでっかい岩になる。

熱い気持ちを持ったマスターがつくる「じゃじゃ麺」。熟考を重ねた肉味噌と、麺のバランスが素晴らしい。

店にはじゃじゃ麺以外にも、チャーハンや餃子、チャーシューなどもある。何でも、誰でも受け入れる森田さんのようだ。ただ、どのメニューも熱い気持ちがこもっている。



しわりり　たろー